江戸時代初期に活躍した画家。(1570年頃?‐1640年頃)。琳派と言われる画家グループの最初の一人で、その技法、発想、革新性、後世に与えた影響の点で、日本美術史上でも最高の画家の一人にあげられています。風神雷神図屏風は最も有名な日本画の一つと言って差し支えないでしょう。

生涯についてはよく分からない点が多いのですが、俵屋という工房を率いて裕福な町人向けに扇や屏風を売ったり、他の文化人に頼まれて挿絵等を書いたりしていたようです。つまり狩野派の画家たちと違って大名等のお抱えではなく、市井の画家だったという事です。当時から極めて評価は高く、天皇や有力な寺社からの作画の依頼もありました。しかし誰かの依頼品ではなく「自分で描きたい物を描いて市販してみる事ができる」という立場にあった事が、写実とデフォルメを組み合わせたカワイイを追求する事に繋がったのではないかと思います。

 

さて、萌え絵についてです。

<絵画を拡大して犬の表情をご覧ください>

 

宗達は動物や子供たちを意図的に可愛く描こうと努力していたようで、子犬、唐子(中国人の子供)などの作品が残されており、工房でこのような絵を描いて販売していたのではないかと推測されます。しかし主力商品であった扇に、子犬が描かれているものはわずかで(唐子が描かれた扇は見つかっていないと思います)、まだ萌え絵の大量販売には成功していなかったようです。

(宗達作品には印章や署名の無いものも多く、“工房作”という事で、工房の誰かが書いた絵を宗達が加筆して完成させた可能性もあるので、どれが本人がすべて描いた絵だと判定するのは難しくなっています)

 

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